現在、ratikの電子書籍は、ratikのwebサイトでのみ、ご購入いただけるかたちで販売しています。
電子書籍販売ストアに商品を卸さないこと、すなわち、潜在的読者の目につくように少しでも多くの場所に書籍を置くという努力をしないことは、書籍の「普及」という点では問題があるのかもしれません。他方、想定される読者が限られた学術・実践の専門書にとって、販売額に占める流通経費の割合を大きく膨らませてしまうことは、「小規模でも大切なコミュニケーション」を存続させる事業自体の存立を危うくしてしまう可能性があります。
現状、葛藤のうちにあり、今後も方針は柔軟に変更していきますが、今しばらくは「直販一本」で事業活動を組み立てていきたいと考えているところです。
ratikの電子書籍は、他のストアの本棚には並んでいませんが、電子書籍販売ストアが開発する各種の「電子書籍リーダー・アプリ」を使い、それらのライブラリにご購入いただいた本を加え、閲覧することが出来ます。既に、アプリの幾つかを本サイトでも紹介してきましたが、最新のアップデートにより、honto電子書籍ストアのビューアーで、ratikの書籍を楽しむことが出来るようになりました。
ビューアーアプリの紹介サイトにもあるとおり、対象形式は「EPUB3.0」になっているので、ratikの電子書籍の「EPUB2.01」は正式にサポートされている訳ではありません。ただ、実際にiOS版のアプリで書籍をインポート・閲覧してみたところ、概ね美しい表示が実現していました(カバーファイルのプロパティ設定が不十分なためか、ライブラリ上に表紙画像が上手く表示されない欠点は見られました)。
「EPUB」という伝達形式が持つポテンシャルの高さを考えた時、電子書籍販売ストアのアプリ開発が、このような形で進展していくことは、望ましいことだと思います。今後もこうした流れが続くことを期待しつつ…。〔ratik・木村 健〕