毎年、この時期は、昼間の時間がとても短く、底冷えの京都でのデスクワークでは「しもやけ」に悩まされ、俯向きがちな日が続きます。しかし、冬至から僅かに時間が経過しただけなのに、また太陽の光に力が戻ってきたようにも感じ、もぞもぞと上向きな気持ちが温まってくるのも事実です。
2018年の5月でratikは設立5年を迎えます。
「もう5年」なのか「まだ5年」なのか、見方は様々だろうと思います。ただ、私としては、50年先、100年先を見据えつつ、「いま・ここ」で考え得ること、できる限りのことを続けていかずにはいられません。
2017年は諸般の事情から、ratikの事業活動に費やす時間・労力を削減せざるを得ませんでした。しかし、その中でも「これまで、ある種の思考の枠組みに縛られすぎていたのではないか?」という気づきがありました。今まで「座布団」の代わりになる「椅子」を作っては、人に「これ、とてもいいですよ!」と薦めるだけではなかったか…。むしろ、本来為すべきだったのは「椅子」ではなく「冷蔵庫」を作って薦めることではなかったのか…。(妙な喩えで、申し訳ありません。)
電車やバスの中で、紙の雑誌、新聞、本を読んでいる人が、本当に少なくなったと、改めて感じます。また、ratikの活動に関わる学術領域では、非常に多くの論文等にネット経由でアプローチできるようになってきました(また、文献の相互リンクや動画挿入など、その表現の面でも、もはや「紙」の置き直しの域を大きく脱してきています)。この変化は、5年や10年といった、ごく短い期間のうちに起こったのではないでしょうか。
今年もまた、新しくて優れた技術を学び、学術・実践のコミュニケーションに貢献していこうと思います。よろしくお願いします。〔ratik・木村 健〕