- Home
- about us
about us
Non-Profit Organization “ratik” is an e-book publisher specialized in psychology and philosophy in Kyoto, Japan. We make much account of small but important academic communications.
ratik(らてぃっく)は、主として人文・社会科学領域の専門書・新刊を電子書籍として出版(企画・編集・制作・販売)する特定非営利活動法人(NPO法人)です。私たちは、学問やそれに根ざす実践にかかわる情報を「選り集め、編み、発信する」ことで、学術コミュニケーションの活性化を目指しています。
情報技術の急速な進歩により、知的活動も大きな進化を続けています。また、こうした環境下、将来に向けて新しい「知識のとりまとめかた」「知の伝達のさせかた」を考えていかねばならない時期にさしかかってきています。ともすれば「海図なき情報の大海」ともなり得るインターネット社会において、確かな指針を提供すべく、出版組織ratikの活動が開始されました。現在、組織内外で種々の形態の議論を積み重ね、具体的な事業に着手しています。
組織としては、2013年1月7日の法人設立総会開催、同月の所轄庁への設立認証の申請、同年5月1日の認証を経て、2013年5月2日の法人登記により「特定非営利活動法人ratik」として正式に発足しました。
ratikの出版、情報発信の活動は、人文・社会科学領域、とりわけ「哲学」「心理学」の分野を足掛かりにして周辺関連領域へと手を広げていきたいと考えています。それはratikが「心」を追究すべき重要なテーマと位置づけているからです。
20世紀の分析哲学者たちは、「心」という語が指し示す事象の範囲を「rag bag(=端切れやボロ布を雑多に入れておく袋)category」と表現しました。学術的探求の対象として取り上げられる「心にまつわる諸概念」の多くは、その起源を日常言語に有しています。そして、私たちの日常的な言い回しにおいては、客観的・物理的世界に「一見」上手く位置づけられないがために、心に関わる語が指し示す雑多な事象に「心的」というラベルが貼られているのに過ぎないケースが数多くみられます。
ratikでは、「心にまつわる雑多な事象」を概念的に整序して捉えていきたいと考えています。また、その上で、「進化」「発達」「身体」「環境」「他者」「社会・文化」など時間・空間の様々な布置のなかで「心」のメカニズムを解明していきたいと考えています。
真摯に「心」に向き合い、「心」に寄り添う研究・実践と是非、連携を深めていきたいと思います。
「心」がratikの学問上の大きなテーマであるとするならば、「縮小社会を見据えたシステムの構築」はratikの事業運営上の大きなテーマといえます。
少子化・高齢化の後に到来する「高齢者が人口の大多数を占める社会」が喧伝されて久しくなります。また、既に日本は「高齢者が人口の大多数を占める社会」に突入しつつあります。しかし、「人はいずれ死ぬ」のであり、「高齢者が人口の大多数を占める社会」は永遠に続くことはなく、近い将来にも「少ない人口でコミュニティを維持しなければならない社会」がやって来ます。そうした中で学問の営みをどのように維持・発展させていくのかは、現代の私たちに課せられた重要な課題です。
本来、学問は普遍性をもつため、一国の中で閉じた形で営まれるべきものではありません。しかし、研究・実践においては、当事者たちが最も使いなれた母語を用いて緻密なディスカッションを行うことで状況を打破していかねばならない局面が幾度か訪れます。学術コミュニケーションの充実は、学問が健全に営まれていることの1つのバロメーターともいえるでしょう。
ratikが関与する「電子書籍」を通じたコミュニケーションは、「少ない人口で学術コミュニティを維持しなければならない時代」に向けた模索の1つです。今後も、私たちは学問の世界で「縮小社会を見据えたシステムの構築」を目指していきます。
ratikは、市民一般に「問い、学び、考える」営みが広く浸透していくことを願っています。研究・実践の発展が、より豊かな社会の形成に繋がっていくことを目指して、私たちは歩みを進めます。
2013年5月2日
特定非営利活動法人 ratik
代表理事 木村 健
法人名の「ratik」は任意のアルファベットを並べ替えて作った「無意味綴り」です。
結果として事業の中身と親和性の高い、英語の「rational(理性的な、理にかなった、合理的なもの…)」の語源であるラテン語の「ratio(比率、割合、…)」に近い響きに落ち着きました。最後の「…k」は「book」と脚韻を踏んでいると解釈できるかもしれません。
「読み方」ですが、たとえばMacの、
- 日本のKyokoさんに読んでもらうと…。
- アメリカのFredさんに読んでもらうと…。
- フランスのAurelieさんに読んでもらうと…。