高度に発展した日本において、右肩上がりではない時代の只中にratikは誕生しました。私たちは、不景気なご時勢、特に出版不況という言葉が喧伝されるくらい本が売れない、本が読まれない時に生まれた特定非営利活動法人の出版組織です。コンピューターが「経済効率に合わないもの」を瞬時にはじき出し、それらが捨てられていく時代です。街なかでは、小さな本屋さんがひとつ、またひとつ消えていっています。
しかしこんな時代を嘆いてばかりいてはなりません。科学技術の発展の賜物である電子書籍をポジィティヴにとらえ、この新しい媒体で本を作ることにより現代社会に希望を見いだしていきたいと、主に学術図書を出版する法人組織・ratikの設立を創意しました。
本を読むことは、主体的な活動です。日々、身の周りを流れていく膨大な情報があふれる今日、それらに流されず、意識的になされる読書には、時に強い意志が必要かもしれません。それゆえに本というメディアがもたらす情報の伝わり方はゆるやかで深いものでしょう。ratikは、本に出合うきっかけと読みたくなるものそして読むべきものを供給することで、知を世に広めていきたいと考えています。
ratikは、この本に出合ったから人生が変わったというぐらいの本を届けていくつもりです。さらに、出版を軸として、現代社会に重要かつ必要な情報を「選り集め、編み、発信すること」で学術コミュニケーションの活性化をも目指していきたいと野望をいだいています。ご期待ください。そしてご協力をお願いします。
2013年5月吉日