今年は、年明け2日に編集事務局を務める学会機関誌に投稿があり、また、5日に法人総会を開催するなど、ratikは例年にない早いスタートを切っています。春までに何点か、新しい書籍を発行すべく、著者のみなさんと取り組みを進めているところです。
2018年は「成熟した市民社会を共に創る」という観点からは、試練の年でした。一部の、そして質の悪いことに発言力だけある者どもを発端として「誠実に考え、正直に述べる」という言葉が、大規模に空疎なものにされてしまいました(新年に入っても状況は続いているようですが…)。このことはまた「学問」に対する侮辱であるとも感じます(そのはるか以前に、このような「不誠実」「不正直」は他者と日常生活を送る上で端的に「困る」とも思うのですが…)。
なぜ「人間」や人間種の「集団」は、このような状態に陥ってしまうのか? あるいは、なぜ私は、こうした疑問や問題意識を持つに至るのか? こうした「問い」がまた、学究的な対象になるのかもしれません。
「電子書籍出版」を中心に据えてratikの事業活動も、当初、予想していなかった形で、種々の発信方法を模索する段階に進んでいます。ratikに限らず、今や学術・実践のコミュニケーションは、種々の受発信のメニューを選択できる豊かな時代に入ってきていることを感じます。今後とも、みなさんと一緒に、個々のコンテンツに合った流通・交流の解を見出していきたいと思います。
「印刷媒体の書籍」を単に「電子媒体の書籍」に置き換えるだけではなく、人間が潜在的に有している理解や認識の形式を新たに触発するような何かを目指して…。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。
〔ratik・木村 健〕