紙の書籍との比較で、Ebookを用いた読書において「記憶」に関する問題がないことは2010年になされた先行研究で示されていました。今回、文章の「理解」という観点からも問題がないことを示す研究が発表されています。この結果は、当面のratikの事業活動にとって、追い風となるでしょうか。
Margolin, S., Driscoll, C., Toland, M., and Kegler, J. (2013). E-readers, Computer Screens, or Paper: Does Reading Comprehension Change Across Media Platforms? Applied Cognitive Psychology
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比較実験は、
- A4用紙
- パソコン・モニターを用いたPDFリーダー
- 6インチ・スクリーンのKindle
を用いて実施され、同じテキストの読解が試されたということです。使われた文章のジャンルには、フィクション/ノンフィクションが混ぜられていました。
研究の対象となったのが平均19歳の若者であったことから、もっと年配の読者の場合には、どうなのか、という疑問が残ります。また、実験に用いられた文章は500ワードと短く、通常の「本」といったレベルの文書量となった場合には、どうなのか、というところも検証が必要でしょう。
技術・機器に対する人間の慣れという面と合わせて、未来をみつめていきたいものです。