東日本大震災後の気仙沼において、緊急派遣のスクールカウンセラーとして、長期滞在した体験から考える。
書名:震災被災地で心理援助職に何ができるのか?
著者:国重 浩一 編著
持留 健吾
西嶋 雅樹
星 美保 著
発行年月:2014年3月6日(EPUB)
発行年月:2014年4月7日(PDF)
発行者:特定非営利活動法人ratik
ISBN:978-4-907438-03-6(EPUB)
ISBN:978-4-907438-07-4(PDF)
電子書籍ファイル形式:EPUB・リフロー、PDF
ファイル容量:3.2MB(EPUB)、21.0MB(PDF)
文字数:約250,000字
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【EPUB ver1.0→ver1.1(2014年3月12日発行)】
8-2-6-3 被災地に再び戻るということ 第7段落の最後の文章
(誤)
2011年2月に高校教育課から採用の連絡をいただき、4月から宮城県の現地カウンセラーとして勤務することになった。
(正)
2012年2月に高校教育課から採用の連絡をいただき、4月から宮城県の現地カウンセラーとして勤務することになった。
【PDF ver1.0→ver1.1(2016年7月13日発行)】
「印刷・製本サービス」の開始に伴い、組版をブラッシュアップしました。
長期滞在型の緊急派遣スクールカウンセラーとしての2年間。
「カウンセラーとして何ができるのか?」という問いを巡る実践と考察の日々。
共に活動した援助職・教職員や被災した人びととの対話から紡がれる言葉。
人びとに向き合うための「姿勢」を多様な声から浮かび上がらせる。
【目次】
序章
第一章 私たちが想像できることと、その影響
- 1-1 現地に入る前からすでに想像できているということ
- 1-2 実際に見えるものは、私たちが想像していたものと違う
- 1-3 その言葉で何を意味するのか、語ってもらわなければ分からない
- 1-4 その言葉で何を意味するのか、依然として分からないことがある
第二章 人びとの体験の形作られ方
- 2-1 被災地で人の話を聞いていくこと
- 2-2 流布されるストーリーが持つ形式
- 2-3 自分の体験をどのように語れるのか
- 2-4 自由に語ることができるわけではない
- 2-5 求められる答えを提供してくれる
第三章 専門家によってつくられ、維持されるもの
- 3-1 トラウマとPTSD
- 3-2 PTSDという疾患概念の問題
- 3-3 「心のケア」における障害という概念の有効性
第四章 「心のケア」に留まらないこと
- 4-1 被災地で使う言葉の模索
- 4-2 「相談」という形式の語りではない
- 4-3 「被災者」からの脱却
- 4-4 文化人類学者のように
第五章 心理援助職の可能性
- 5-1 カウンセリングの可能性
- 5-2 会話から生まれてくるもの
- 5-3 コンサルテーションという構図への懸念
- 5-4 人の死と時間
- 5-5 発達のバラツキという視点の重要性
- 5-6 スーパービジョンの必要性
第六章 筆者の臨床活動
- 6-1 学校コミュニティへのアプローチ
- 6-2 インタビューという形式のアプローチ
- 6-3 震災直後の学校の事情に配慮する
- 6-4 ピアカウンセリング
- 6-5 「教科書のない教室」
第七章 現場からの声
- 7-1 学校関係者に対するアンケートの概要
- 7-2 質問1 「被災後、学校で子どもたちに対応する際の懸念」
- 7-3 質問2 「緊急派遣カウンセラーが派遣される前の期待と不安」
- 7-4 質問3 「カウンセラーが派遣されたことによる負担増」
- 7-5 質問4 「緊急派遣カウンセラーが貢献できたこと」
- 7-6 質問5 「今後の支援について」
- 7-7 質問6 「将来の緊急派遣カウンセラーへのアドバイス」
- 7-8 質問7 「総括して、心理カウンセラーが担うべき役割とは」
- 7-9 本章の最後に寄せて
第八章 カウンセラーたちの声
- 8-1 カウンセラーたちの声を紹介するにあたって
- 8-2 「被災地での活動から見えてくるもの」持留健吾
- 8-3 「東日本大震災の被災地での活動より」西嶋雅樹
- 8-4 「現地で起こっていたこと」星美保
- 8-5 本章の最後に寄せて
第九章 これからの支援と、もし万が一がまた起こったとき
- 9-1 これからの支援
- 9-2 もし万が一がまた起こったとき
〈あとがき〉
〈参考文献〉
〈著者紹介〉
【著者紹介】
国重 浩一(くにしげ こういち)
ワイカト大学カウンセリング大学院修了
ニュージーランド・カウンセラー協会会員
日本臨床心理士
鹿児島県臨床心理士会会員
Diversity Counselling New Zealand マネージャー 兼 カウンセラー、スーパーバイザー
著書に
- 『ナラティヴ・セラピーの会話術:ディスコースとエージェンシーという視点』(金子書房、2013年)
共訳書に
- 『ナラティヴ・アプローチの理論から実践まで:希望を掘りあてる考古学』(北大路書房、2008年)
- 『ナラティヴ・メディエーション:調停・仲裁・対立解消への新しいアプローチ』(北大路書房、2010年)
- 『心理援助職のためのスーパービジョン:効果的なスーパービジョンの受け方から、良きスーパーバイザーになるまで』(北大路書房、2012年)
持留 健吾(もちどめ けんご)
広島大学大学院教育学研究科幼年期総合科学修了
臨床心理士
日本心理臨床学会会員
宮城県臨床心理士会会員
西嶋 雅樹(にしじま まさき)
京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
三重県教育委員会事務局(三重県総合教育センター)臨床心理相談専門員
臨床心理士
三重県臨床心理士会理事
主な論文に
- 適応指導教室における個と集団(岡田康伸・河合俊雄・桑原知子(編)『心理臨床における個と集団』、創元社に所収)
- 東日本大震災被災地での活動から、心理臨床を思う(藤原勝紀(編)創造の臨床事例研究第8号に所収)
- 学校現場における教師と心理臨床家の「視点」に関する研究(共著)(心理臨床学研究第25号4巻)など
星 美保(ほし みほ)
東北福祉大学通信制大学院総合福祉学研究科福祉心理学専攻修了
福祉心理学修士
宮城県スクールカウンセラー(公立小中学校)
宮城県社会教育委員 気仙沼市社会教育委員
気仙沼市家庭教育推進協議会会長
親業訓練協会親業インストラクター
日本心理学会認定心理士
日本教育心理学会員
心理カウンセラーとして、被災した人びとに対して、何ができるのだろうか。
心理援助職に就いている専門家として、この問いかけを避けて通ることができない。ところが、この問いには、明確な答えが用意されているわけではない。そのため、自分の活動の折々に、この問いを自分自身に向けて、繰り返し投げかける必要がある。明確な答えが得られないから問わないのではなく、むしろだからこそ、問い続けることが求められる。
本書で考察していきたいのは、対人援助の専門家として避けることができない問いに対して、どのように取り組むことができるのか、ということである。それは、「被災者に対する心理援助とは…」という「くだり」から語られるような一般論を導き出すことではない。そうではなく、この領域の活動の多様性の確保と維持につながる、私たちの姿勢について、つまり、問いに対する答えではなく、答えを求めていく過程ついて検討してみたい。
* * *
本書において、「一体何をすればよいののだろうか?」という問いかけに明確な答えを提示することを目指すつもりはない。ここでは、現地の状況を把握し、その対応方法を探していく、基盤とできるようなもの、そこからいろいろと考えていけるようなもの、そして、それを現地の人びとと共有し、育んでいけるようなものについて、考察していきたいのである。
(本文「序章」より抜粋)
私たちの時代・文化において、惨事ののちに「心のケアが求められる」という「言葉」が繰り返されるのが常になりました。しかし、私たちの多くは「心のケア」と称して「現地」で何が求められ、何が実践されているのか具体的に知らないのではないでしょうか。「現地に入る前からすでに想像できてしまうものがある」と国重さんは言います。さらに、社会構成主義を土台とするナラティヴ・アプローチの観点から、「外部」で一般化され、形づくられしまう、こうした言説の危険性についても注意が促されます。
本書は、1カウンセラーの実践の記録にとどまらず、派遣先の学校関係者への事後アンケート、共に活動した地域内外のカウンセラーによる寄稿を加え、多声性の中で「現地」の有様や、人びとに向き合うべき姿勢・態度が丹念に考察されます。
「惨事」に際し、私たちがとった行動や、そこでの対話から導き出された言葉は「人類にとっての遺産」とも言えるでしょう。日に日に震災についての社会的な記憶が薄れていくことに抗して、この書籍を発刊できることに胸を張りたいと思います。〔ratik・木村 健〕
【詳細目次】
序章
- 1 心理援助技法の汎用性について
- 2 将来に向かって取り組む姿勢
- 3 「被災者」を一括りにしないこと
- 4 被災地における心理援助において加味すべきいくつかの点
- 5 本書の目指すところ
第一章 私たちが想像できることと、その影響
- 1-1 現地に入る前からすでに想像できているということ
- 1-1-1 集団と、それを構成する人びとを区別すること
- 1-1-2 特定の要因を疾患の原因であると見なしてしまうこと
- 1-1-3 ある要因が将来において特定の症状や疾患を引き起こすという見方
- 1-1-4 ダメージモデルをすべての人にあてはめること
- 1-2 実際に見えるものは、私たちが想像していたものと違う
- 1-2-1 実際に目の当たりにしたもの
- 1-2-2 当時の手記から
- 1-2-3 想像したものと実際に見えるものが異なるとき
- 1-2-4 「障害」ではなく「自然な反応」と見なすこと
- 1-3 その言葉で何を意味するのか、語ってもらわなければ分からない
- 1-3-1 被災した人びとの表現をどのように理解するのか
- 1-3-2 被災地の心理援助業務における「共感」
- 1-3-3 その表現の意味を探るために
- 1-3-4 時間とともに意味づけが変化するという視点
- 1-4 その言葉で何を意味するのか、依然として分からないことがある
- 1-4-1 相手の言葉をそのまま理解できるわけではない
- 1-4-2 現実の多様性について想定しきれるものではない
- 1-4-3 ひとくくりにしない実践の重要性
第二章 人びとの体験の形作られ方
- 2-1 被災地で人の話を聞いていくこと
- 2-1-1 相手が感じている情景を汲み取っていくために
- 2-1-2 相手の視点で理解する実践を身につけること
- 2-1-3 既存の価値判断に対峙すること
- 2-1-4 言語という媒体の不完全さについて
- 2-1-5 言葉が用いられる文脈を共有することの重要性
- 2-1-6 あくまで言葉を用いたやり取りのなかで理解を深めること
- 2-2 流布されるストーリーが持つ形式
- 2-2-1 人びとが語る頻度と実際の頻度
- 2-2-2 人びとが語るストーリーの文法的な特徴
- 2-3 自分の体験をどのように語れるのか
- 2-3-1 自分の状況を把握していく過程
- 2-3-2 「現実感の曖昧さ」から話すこと
- 2-4 自由に語ることができるわけではない
- 2-4-1 被災後における他者との関係
- 2-4-2 地方都市ならではの状況
- 2-5 求められる答えを提供してくれる
- 2-5-1 会話におけるパターン化されたやりとり
- 2-5-2 相手の答えを限定する問いかけ
- 2-5-3 「外」で作り上げられた質問では引き出せないもの
第三章 専門家によってつくられ、維持されるもの
- 3-1 トラウマとPTSD
- 3-1-1 PTSDの概要
- 3-1-2 PTSDの発症頻度
- 3-1-3 PTSDに関する既存の調査について
- 3-1-4 PTSDの流布され方
- 3-1-5 トゥレット症候群の歴史から考えられること
- 3-2 PTSDという疾患概念の問題
- 3-2-1 外因と「こころの傷」
- 3-2-2 外因の受け取り方
- 3-2-3 社会的に認められ、再生産される表現
- 3-2-4 人びとの解釈に加味されていくもの
- 3-2-5 その出来事がその後の生活に与える影響
- 3-3 「心のケア」における障害という概念の有効性
- 3-3-1 治療の種類について
- 3-3-2 人間の持つ治癒力も働いているのだということ
- 3-3-3 障害という言葉の対象
- 3-3-4 備えることの大切さ
- 3-3-5 PTSDという名称が必要とされる場合
第四章 「心のケア」に留まらないこと
- 4-1 被災地で使う言葉の模索
- 4-1-1 「日常親しんでいる言葉」のやりとりではないこと
- 4-1-2 「がんばる」という言葉の意味合い
- 4-1-3 自分を理解してもらいたいための言葉
- 4-1-4 利用できる言葉の模索
- 4-1-5 安全であり、生産的な言葉とは
- 4-2 「相談」という形式の語りではない
- 4-2-1 「相談」という形式
- 4-2-2 被災現場にいた人びとが語る物語のジャンル
- 4-2-3 教えを乞う場として人びとの話を聞いていく
- 4-2-4 他の人のために心理士に話をしてくれるということ
- 4-2-5 心理臨床活動にとって不可欠な情報を得ること
- 4-2-6 共同研究者という関係、証人という役割
- 4-3 「被災者」からの脱却
- 4-3-1 「被災者」という位置づけ
- 4-3-2 心理援助職が目指していく地点
- 4-3-3 「被災者からの脱却」というプロット
- 4-4 文化人類学者のように
- 4-4-1 文化人類学から導かれる姿勢
- 4-4-2 現地の人びとが持つ感覚
- 4-4-3 気仙沼の地域性を示唆するストーリー
- 4-4-4 緊急時だからこそ子どもが持てた効力感
- 4-4-5 通説を得ることと、個人にあてはめることの違い
第五章 心理援助職の可能性
- 5-1 カウンセリングの可能性
- 5-1-1 起こったことを整理する場としてのカウンセリング
- 5-1-2 他者の感覚を照合する場としてのカウンセリング
- 5-1-3 被災地における不登校について
- 5-1-4 高校生とのカウンセリング、大人とのカウンセリング
- 5-2 会話から生まれてくるもの
- 5-2-1 コミュニティ内で通用する言葉
- 5-2-2 運命共同体の形成
- 5-2-3 外の人間との会話の重要性
- 5-2-4 新たに生まれてくるストーリーに立ち会うこと
- 5-3 コンサルテーションという構図への懸念
- 5-3-1 コンサルテーションに内在する権力構造
- 5-3-2 直接的な関わりをしていくことの重要性
- 5-3-3 心理職が演出できる安心感
- 5-3-4 コンサルテーションを提供するときの注意事項
- 5-4 人の死と時間
- 5-4-1 喪に服す時間さえ与えてくれない現代
- 5-4-2 現代の時間の流れに抗していく
- 5-5 発達のバラツキという視点の重要性
- 5-5-1 発達障害というパラダイム
- 5-5-2 発達障害に対する能動的な連携の必要性
- 5-5-3 学校現場で特別支援教育を推し進めていくために
- 5-6 スーパービジョンの必要性
- 5-6-1 緊急支援時におけるスーパービジョン
- 5-6-1 ピア・スーパービジョン
第六章 筆者の臨床活動
- 6-1 学校コミュニティへのアプローチ
- 6-1-1 活動を始める際に発信したメッセージ
- 6-1-2 クラスを訪問して伝えたメッセージ
- 6-1-3 PTA会報に掲載したメッセージ
- 6-2 インタビューという形式のアプローチ
- 6-3 震災直後の学校の事情に配慮する
- 6-4 ピアカウンセリング
- 6-5 「教科書のない教室」
第七章 現場からの声
- 7-1 学校関係者に対するアンケートの概要
- 7-2 質問1 「被災後、学校で子どもたちに対応する際の懸念」
- 7-3 質問2 「緊急派遣カウンセラーが派遣される前の期待と不安」
- 7-4 質問3 「カウンセラーが派遣されたことによる負担増」
- 7-5 質問4 「緊急派遣カウンセラーが貢献できたこと」
- 7-6 質問5 「今後の支援について」
- 7-7 質問6 「将来の緊急派遣カウンセラーへのアドバイス」
- 7-8 質問7 「総括して、心理カウンセラーが担うべき役割とは」
- 7-9 本章の最後に寄せて
第八章 カウンセラーたちの声
- 8-1 カウンセラーたちの声を紹介するにあたって
- 8-2 「被災地での活動から見えてくるもの」持留健吾
- 8-2-1 地震の発生から現地に向かうまで
- 8-2-1-1 広島で震災を知り、思ったこと、感じたこと、そして行動したこと
- 8-2-1-2 現地での活動に備えて
- 8-2-2 現地での活動の開始
- 8-2-2-1 現地での意外な第一印象
- 8-2-2-2 派遣前に得ていた情報との落差
- 8-2-2-3 「誰かに話したい」という欲求を受けとめる専門性
- 8-2-2-4 アンケート調査とそのアフターケアの必要性
- 8-2-3 滞在型緊急派遣カウンセラーについて
- 8-2-3-1 滞在型緊急派遣という支援体制
- 8-2-3-2 長期滞在型であるからこそ
- 8-2-3-3 忘れがたきエピソード
- 8-2-4 現地での活動の内実
- 8-2-4-1 単刀直入な質問、体験の固定化を避けるリアクション
- 8-2-4-2 半構造化された面接法の有効性
- 8-2-4-3 曖昧さを共有していくこと
- 8-2-4-4 事前の予想とは異なった子どもたちの反応
- 8-2-4-5 避難所の生活と、そのポジティヴな機能
- 8-2-4-6 子どもたちが普段の悩みを語ること
- 8-2-4-7 子どもたちの話から見えてくる震災当時の生々しい様子
- 8-2-5 考察
- 8-2-5-1 再考、子どもたちのリジリエンス
- 地域コミュニティのもつ力
- 大人と子どもの関係性
- 8-2-5-2 文化圏の違いが臨床に意味するところ
- 異なる文化圏にいることを感じるエピソード
- 文化的な背景とPTSDとの関係
- 地元の自助的な機能が仮設住宅によって失われるということ
- 8-2-5-3 外からの支援を成り立たせるもの
- 8-2-5-4 外の人びとが使う言葉の危険性
- 8-2-5-5 「被災者からの脱却」というプロットの必要性
- 8-2-5-6 連携について
- 養護教諭との連携
- 現地カウンセラーとの連携
- 派遣元との連携
- 宮城県臨床心理士会との連携
- 8-2-6 最初の任期を終えて、再び被災地へ
- 8-2-6-1 任務を終えて帰ってきたときの自分の反応
- 8-2-6-2 長いスパンで被災地と関わっていく気持ちに
- 8-2-6-3 被災地に再び戻るということ
- 8-2-7 2012年の4月から現在までの活動を通して感じること
- 8-2-7-1 面談内容の変化
- 8-2-7-2 アンケートに見られる変化
- 8-2-7-3 震災の影響について
- 8-2-8 最後に
- 8-3 「東日本大震災の被災地での活動より」西嶋雅樹
- 8-3-1 はじめに
- 8-3-2 「遠い地の人たち」ばかりに降りかかってきた震災
- 8-3-3 体験からの「人々の固有の歴史を既存文献は扱っていない」という気づき
- 8-3-4 目の前の一人ひとりに出会うという姿勢
- 8-3-5 生身の人間として感じ考え続けること
- 8-3-6 風土や人々の心の有り様を目の前のクライエントを通して知る
- 8-3-7 「被災者」という集合ではなく「個別の人間」であるということ
- 8-3-8 ひとくくりにする言説に関して
- 8-3-9 人々の総称としての学校と、そのアイデンティティ
- 8-3-10 「自力たちでやってきた」という学校風土
- 8-3-11 相手を見立てる
- 8-3-12 「添え木」としての支援
- 8-3-13 おわりに—心理臨床家として語るということ
- 8-4 「現地で起こっていたこと」星美保
- 8-4-1 プロローグ
- 8-4-2 震災直後の混乱
- 8-4-2-1 地震の発生
- 8-4-2-2 スクールカウンセラーとして、その夜を明かす
- 8-4-2-3 地震翌日、生徒らと共に
- 8-4-2-4 津波が去り一変した町を通って
- 8-4-3 避難所での生活
- 8-4-3-1 家族の無事を確認
- 8-4-3-2 みんなで避難所を切り盛りする
- 8-4-3-3 全員が集まる朝夕の節目
- 8-4-3-4 「現実」の受容
- 8-4-4 学校が始まる
- 8-4-4-1 学校を再開させたい
- 8-4-4-2 子どもたちの姿は大人にとっての生きる希望
- 8-4-4-3 不自由な中での質素な入学式・始業式
- 8-4-5 広域カウンセラーとして
- 8-4-5-1 他県からのカウンセラーとの連携
- 8-4-5-2 各学校のニーズを聞き、支援方針を立てる
- 8-4-5-3 中学生の思い
- 8-4-5-4 現実を受け止めきれない小学生
- 8-4-6 1日の終わりに
- 8-4-7 おわりに
- 8-5 本章の最後に寄せて
第九章 これからの支援と、もし万が一がまた起こったとき
- 9-1 これからの支援
- 9-2 もし万が一がまた起こったとき
〈あとがき〉
〈参考文献〉
〈著者紹介〉