昨今、電子書籍のメリットとして、以下のようなことが述べられてきました。
- 蔵書スペースをとらず、持ち運びに便利
- 文字の書体や大きさを読みやすいように変更可能
- 語句の検索や、文章の引用が容易
- 「いつ」「どこ」でも入手が可能
また、学術領域の表現・伝達手段としてみた場合、
- 音声・画像・動画などの文章内への埋め込みが可能
- インターネットを介した書籍外情報へのリンクが可能
といった特徴は、電子書籍の高い潜在力を示しています。
しかし電子化の恩恵は、これだけにとどまりません。
一冊の「紙の本」を読者の手に届けるためには、用紙・インク代、印刷・製本代、倉庫・運送代、取次・販売手数料をはじめとした雑多で大きな費用が必要になります。この経費を回収しつつ事業を継続するために、これまでの出版ビジネスは、大量生産・大量消費を前提にせざるを得ませんでした。それゆえ学術・実践上の重要性は高くても「採算がとれない」という理由で出版が断念されるケースもみられました。こうした事態は、学問にとって不幸なものです。
他方、学問の発展には、たとえ小規模でも多種多様な情報の流通が確保されている必要があります。ratikは、電子書籍化による経費の削減により「小規模だが重要」な学術情報の発信に対応できる出版活動を展開します。
また「良質の書籍コンテンツを産み出す」のにあたり、ratikは、原稿の執筆に加えて、素材の厳選、編集・校正などを決して疎かにすることはできないと考えています。電子書籍化は「実質的にコンテンツを産み出すところ」に集中的にリソースを費やせるビジネスモデルをもたらします。