ratikは、人文・社会科学領域の専門書・新刊を、電子書籍として出版するNPO法人です。学問やそれに根ざす実践にかかわる情報を「選り集め、編み、発信する」ことで、学術コミュニケーションの活性化を目指します。
情報技術の進歩により知的活動は大きな進化を遂げています。こうした環境下、新しい「知識のとりまとめかた」や「知の伝達のさせかた」が求められています。
現在、学会誌や紀要を中心に、学術論文のデータベース化が急速に進んでいます。また視認性の高い電子書籍専用端末や、コンパクトで汎用性に富むタブレット端末の登場で、電子媒体を介した読書環境が整いつつあります。しかし国内の学術領域の電子書籍の発行は「低調」なレベルにとどまっています。
学術コミュニケーションでは、比較的大きな主題を体系的に扱ったり、一連の研究成果を整合的にとりまとめたりする「書籍」の役割は欠かせません。ratikは、電子媒体の良さを活かした新しい「知の流通」を確立します。
現代のインターネット社会は、誰もが情報の受信者であると同時に発信者になり得る可能性を提供しました。反面こうした状況は、ときに乱雑に書き散らされたものを含め、等価におかれた莫大な情報のなかから自らに有用なものを「選び出し読み解く」ための過大な能力を社会の成員に要求しています。
ratikは「良質の書籍コンテンツを産み出すこと」すなわち素材を厳選し、執筆の環境を整え、編集・校正に力を注ぐことで、読み手により有効に伝わる「本」を世に送り出します。また、そのことで「海図なき情報の大海」に確かな指針を提供します。