2012年4月から「宗教心理学研究会」の有志のメンバーを中心に取り組みが進められていた科研費研究プロジェクト『宗教性/スピリチュアリティと精神的健康の関連─苦難への対処に関する実証的研究─(基盤研究(B)課題番号:24330185)』が今年(2015年)3月で一区切りとなります。
これを機に、研究プロジェクトでは下記のとおり「研究成果公開シンポジウム」の開催が計画されています。
- 日時:3月7日(土)14:00~18:00
- 会場:東京大学駒場キャンパス 学際交流ホール(アドミニストレーション棟3階)
- URL:http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/visitors/maps-directions/campusmap.html
【プログラム】
Ⅰ.プロジェクトの概要 松島公望(東京大学)
Ⅱ.質的研究班からの報告
- 1.「災害による喪失と宗教の関わり」 浦田 悠(大阪大学)
- 2.「東日本大震災において非業の死を遂げた子どもの慰霊と遺族の癒し:死者へおくる卒業証書」 大村哲夫(東北大学)
Ⅲ.数量的研究班からの報告
- 3.「宗教/スピリチュアリティの実態把握」 小林正樹(中央学術研究所)
- 4.「スピリチュアリティ/宗教性と精神的健康との関連」 具志堅伸隆(東亜大学)
- 5.「『こころの健やかさ』に関する調査-こころの健やかさと宗教-」 中尾将大(大阪大谷大学)
- 6.「『救いの体験』の有無による主観的幸福感の違い-キリスト教に関わる人びとを対象にして-」 松島公望(東京大学)
- 7.「出雲大社教におけるご神徳の感じ方」 酒井克也(出雲大社和貴講社)
Ⅲ.プロジェクトの総括「研究成果と今後の課題」 松島公望(東京大学)
Ⅳ.フロアとの討論
今回の研究プロジェクトでは、「数量的研究」として、これまでにない規模で国内質問紙調査が実施されており、日本人の宗教性を把握する上で、今後、統計的な参照点となっていくような貴重なデータが得られているようです。
また「宗教」「災害による喪失」「精神的健康」に関連する国内外の膨大な研究を網羅的・体系的に把握する骨太なレビューが為された上で、今年震災後20年を迎えた「阪神淡路大震災」の被災地、「東日本大震災」の被災地での緻密な「質的研究」が実施されました。
シンポジウム当日には「研究成果報告書」も刊行されるそうです。
研究会員ではありますが、私自身はプロジェジュトには参画していませんでした。ただ、昨秋の日本心理学会シンポジウムなどで途中経過の報告を聞き、今後の進展にも繋がる手応えを感じていました。
シンポジウム開催に関するお問い合わせは、研究代表者の松島公望さん(ckobo●mail.ecc.u-tokyo.ac.jp(●を@に変えてお送りください))まで。〔ratik・木村 健〕