コミュニケーションのなかで、「愛想笑い」に比べ「真性の微笑み」のほうが「社会的報酬」としての価値が高く、それに対するより素早い反応が予め準備されていることを示す研究成果がPsychological Science誌に掲載されています。
E. A. Heerey, H. M. Crossley. Predictive and Reactive Mechanisms in Smile Reciprocity. Psychological Science, June, 2013.
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「愛想笑い」に代表される儀礼的な笑いは、通常、社会的規範に照らしたその場の要請の結果として生じます。他方「真性の笑い」は、喜びの感情を示すものとして自然発生的に起こり、そこには眼球周囲の特定の筋肉群が関与しています。また「真性の笑い」を示された者には、そうした笑いに動員される筋肉群を用いた模倣的な反射が現れることも知られています。
今回の研究では、コミュニケーションの中で「真性の笑い」をより素早く検知する予期のメカニズムが働いており、それに対する反応速度が高くなっている様子が明らかになっています。
こうした研究は、私たちの日々の相互作用において、時々刻々変化しながら行為が調整されていく模様を明らかにしていくものだと思います。〔ratik・木村 健〕