脳内の神経ネットワークが形成される途上に、刺激にさらされ続けることでシナプスが萎縮してしまう局面がある、という発見が、Journal of Neuroscienceに掲載されています。
Wen, J. A., DeBlois, M. C., & Barth, A. L. (2013). Initiation, Labile, and Stabilization Phases of Experience-Dependent Plasticity at Neocortical Synapses. The Journal of Neuroscience, 33(19), 8483-8493.
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脳内のシナプスは、ニューロンと他の細胞を結び、情報を伝達する役目を果たします。これまで、刺激にさらされることでシナプスが成長することはよく知られていました。今回、短期的に見た場合、以前に考えられていたよりもシナプスが強固になっていたものの、急速に結びつきが弱まる移行的な局面が続いて訪れることが明らかにされています。いったん形成されたかにみえたシナプスの強固な結びつきは、実は脆弱であり、刺激にさらされ続けることで、「学習の効果」が消し去られてしまう局面があり得る、というのです。〔ratik・木村 健〕