「社会的ジレンマに対し時間的制約に迫られ為される意思決定は、直観的に協力のほうになびき易い」と結論した先行研究に対し、Nature誌の続刊で反論が試みられています。
Gustav Tinghög, David Andersson, Caroline Bonn, Harald Böttiger, Camilla Josephson, Gustaf Lundgren, Daniel Västfjäll, Michael Kirchler, Magnus Johannesson. Intuition and cooperation reconsidered. Nature, 2013; 498 (7452)
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協力に対する意欲は、社会的ジレンマ(「グループに資するが個人には高コストな選択肢」か「個人のみに恩恵がある選択肢」のどちらかを選ばねばならない状況)において測られることが多くなっています。また、そうした際の意思決定には、直観的なシステムと、反省的で分析的なシステムがはたらいているといわれています。種々の意思決定状況において両システムが統合的に恊働していることを重視する今回の研究グループは、「時間的制約」というプレッシャーの有無によって、意志決定に差異が生じないことを統計的に指摘しています。〔ratik・木村 健〕